若いが、こうした老人は好きだ

年齢を重ねてくると、若い頃のパワーや粘り強さ、気力が衰えて、昔のようなことはできなくなってくる。
物忘れがひどい、環境の変化についていけない、気力が十分なのに体が思うようについていかないなど

犬や猫などのペットも、老いていればすぐにわかる。
髭が白くなっていたり、散歩でも足元がだんだんおぼつかなくなってくる。
犬や猫は、10年もたつとそうなってしまう。飼い主が励ましても嫌だといったりすぐにばてるだろう。

老人でも同じ年齢でこれほど違うものかと思う人がいる。一人は何でも前向きに考え人生を楽しんでいるが、もう一人は何もかもを悪いほうに考え周りのせいにする。

「気持ちの持ちよう」とはよく言ったもので、一般的に元気で好かれる老人は前者であり、後者の老人は周りから疎んじられ疎外され、また本人がそれに気付いていないことが多い。
これらは好循環、悪循環としてどんどん広がっていく。

年歳を重ね、心身に不具合が生じ始めると、ついつい悪い方向に考えがちだが、かつては「長老」という地位がもっとも最上位の存在であった。
それは、長年の経験や知識・知恵を若い世代に伝え、若い世代を引っ張り、サポートし、若い世代に頼られる存在であった。
威厳があり、信頼される存在として、身体は動かなくなっても気力に満ち溢れていた。

そういう元気な老人がいっぱい廻りにいることが、社会を支えていくのだろう。
私ももうすぐ「老人」と言われるようになるのは間違いの無いことだ。特にこれからはエネルギーを与える人が成功する時代だからなおさらだ

そのとき、マッカーサー元帥も座右の銘として手元においていた、当時は無名の詩人、
サミエル・ウルマンの「青春」という詩を思い浮かべる。

 

そうしたエネルギーあふれる老人なら例えお金がなくても、周りからお裾分けされ生活できるだろう。

 


以下、引用

青 春  サミエル・ウルマン

青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。
理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異えの愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

人は信念と共に若く
人は自信と共に若く
希望ある限り若く    
疑惑と共に老ゆる
恐怖と共に老ゆる
失望と共に老い朽ちる

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、偉力と霊感を受ける限り人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。

青春とは、心の若さである。 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

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