一億総中流社会はなぜ理想とされたのか?メリットを考えてみよう

1億総中流社会"とは、 大多数の日本人が、自分は中流階級に属すると考えていること。 旧総理府などが実施した「国民生活に関する世論調査」で昭和40年代以降、自分の生活水準を「中の中」とする回答が最も多かった社会です。

 

アリストテレス政治学」によると中流が多い社会は安定し、富裕層と貧困層に分かれている社会は不安定な社会になるそうです。

中流が多い社会のメリットを考えると

1. 所得の平準化: 1億総中流社会を実現することで、社会全体の所得が平準化され、貧困や格差などの社会問題が解決される可能性が高まる。みんな余裕があるから、弱者へ寛容になれるでしょう。

2. 消費拡大: 中間層に所属する人々が多くなることで、商品やサービスの需要が拡大し、経済的にも好影響が期待できます。一部の富裕層しか浪費しない不健全な経済よりも健全な社会へ一部の人たちがドレスや宝石しか買わない社会よりも、みんな木綿の服着ている社会の方が発展してきました。

3. 教育レベルの向上: 1億総中流社会では、教育費の余裕から教育レベルが高くなるため、社会全体の知識や技術レベルが向上し、国際競争力の向上につながる可能性があります。

4. 社会安定の促進: 経済的にも社会的にも安定した中間層の拡大は、社会不安や治安の悪化を防ぐ効果があるとされています。無職の連続殺人事件や強盗などが少なくなります。

5. 負担の分散: 所得の平準化によって、社会保障制度や税金などの負担が分散され、社会の公正性が高まります。

ただし、1億総中流社会を実現するためには、長い時間とリソースが必要となるでしょう。今の日本からその社会を目指すとなると遥か遠い理想となるでしょう。