魔術師の秘術エメラルドタブレットについて

超古代文明の遺物とも言われているエメラルドタブレットについてです。
何とも高級感の漂うネーミングですが、画像検索してみても本当にエメラルドに碑文を書き記したかの様な物が多数出てきます。

元々エメラルドタブレット錬金術に関する基本的な思想からその奥義に至るまで書いてあるとも言いますね。
錬金術と言うのは科学的な観点から卑金属より金を生み出す学問とされています。

人類史の中でオカルトと科学がここまで密接に結びついた物も珍しいんではないでしょうか。
その究極は賢者の石を生み出し、それによって永遠の命や金を生み出す手法と考えられていますね。

エメラルドタブレットはヘルメス・トリスメギストスが作った

エメラルドタブレットが歴史に登場するのはだいぶ古く、なかば伝説とも言えます。
一説にはギザの大ピラミッドの中に存在したヘルメス・トリスメギストスの墓から発見されたと言われています。

このヘルメス・トリスメギストスと言う人物は名前を直訳すると「三倍に等しいほど偉いヘルメス」と解釈され、古代ギリシャの神様ヘルメスその者と言う意見もありますね。
これがどうやらエジプトの叡智の神トートと結びつき、錬金術の祖とも言われています。

三と言う数字自体にも重要な意味があるらしく、現在でも謎が多く実在した人物か定かではありません。
とにかく神秘的な象徴として認知されているだけでなく、数多くいるギリシャ神話の神様の中でも異彩を放っていた事から様々なオカルティシズムにも影響を与えたんでしょう。

最初の発見者も諸説あり、アレクサンダー大王であったり聖書に登場するアブラハムの妻サラだったりします。

エメラルドタブレットの翻訳

現在では最古で最初のエメラルドタブレットは現存していません。
記録によるとアラビア語からラテン語に12世紀頃翻訳されたとありますが、この時点で作成された贋物の可能性も高いです。

時代が下り各世界との交流が広まってくるとエメラルドタブレットの内容と錬金術思想はヨーロッパで華開く事になります。
有名な物では17世紀の修道士アタナシウス・キルヒャーの翻訳した物ですが、錬金術の大御所パラケルススヨハネス・トリテミウスが父親に寄贈したエメラルドタブレットを見て育ったと言います。

錬金術にまつわる有名な一文は「As above so below」で、これは日本語に直訳すると「下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし」となりますね。

一見するとなんのこっちゃと思いますが、これは大宇宙と小宇宙の相違点や類似点を示した言葉です。

そう言えば最近この英文がタイトルになったフランス映画がありましたが、直訳するともはや何の映画か見た目で判別がつかないため「地下に潜む怪人」みたいな物になってました。

この思想が大元にあり、特にその後ヨーロッパで哲学などとも密接に結び付き、金を無限に作り出そうと取り組む人が増えたのも有名な話ですね。

エメラルドタブレットは古代アトランティスの遺産か

興味深い話では1925年にメキシコ、ユカタン半島のピラミッド内でエメラルドタブレットが複数枚発見されたと言う記録です。
ミュリエリ・ドリールと言う人がその後書籍で発表した物ですが、タブレットは合計12枚見つかっており、全て写し取って翻訳した後元のピラミッド内に戻したらしいんです。

気になる内容はと言うと、古代アトランティス人のトートと言う名の人物が書いたとされ、

『われ、アトランティス人トートは、諸神秘の精通者、諸記録の看守者、力ある王、正魔術師にして代々代々生き続けるものなるが、今やアメンティーのホールに去り行かんとするにあたり、後世の手引きとせんため、偉大なるアトランティスの強大なる智恵の記録を書きとどめんとす』

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/

と記されていました。

これが事実ならとんでもない事ですが、そこはやはりというか疑問視する専門家が多いのも実情です。
仮に超古代文明の代表格であるアトランティス大陸が実在し、後にエジプトを支配してピラミッドを建立したともされるトートも実在していたらと思うとロマンですね。

 

上にも書いた訳文を読むとトートは何度も転生した風にも見えますが、ここまで来ると一気にオカルト色が強くなるのも確かです。

私の様な一介の人間にはすべてが雲を掴むような話だと感じますが、そもそもヘルメスとエジプトの神トートが一緒にされていたり、同じなのアトランティス人が出て来たりと非常に難しい話です。

今後時間を見つけてもっと勉強してみようと思いましたが、エメラルドタブレット超古代文明の遺産の中でも一際異彩を放っている事は確かですね。