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ダベンポート教授の中核理論

古典

ITと経営の接点を見つける知識経営に拡張

トーマス・ダベンポート(Thomas H. Davenport)の思想を理解することができる重要なキーワードは、IT(Information Technology・情報技術)である。ダベンポートは誰よりも先に情報技術の重要性を看破しており、これにより、企業の経営の成果を高めるために絶えず優れた業績を積み上げてきた。源泉は、彼の独特の履歴である。本来、彼はハーバード大学社会学の博士号を受けた。シカゴ大学ハーバード大学社会学をしばらく教えたりもした彼はCSCインデックス(CSC Index)と呼ばれるITコンサルティング会社に移し、新しいキャリアを積む。この会社はすぐに私たちによく知られている「リエンジニアリングの概念」を創案したジェームズ・チャンピオ(Champy)が導いた会社である。ジェームズシャン咲くマイケルハンマーと一緒に書いた<リエンジニアリング企業革命(Reengineering the Corporation)>という本で有名である。1993年に出版されたこの本は、米国だけで250万部以上売れたベストセラーになった。ダベンポートはすぐにこの会社で職場生活を始め、その後、マッキンゼーとアーンストエンヨウン(Ernst&Young)などを経て、ITに関する研究とコンサルティング業務を担当した。興味深い事実は、ダベンポートがアーンスト・エンヨウンのパートナーとして在職しているときに出版した彼の最初の著書である「プロセスイノベーション(Process Innovation)>が、先に紹介した<リエンジニアリング企業革命>とほぼ同時期に出版されたという点である。当時ITを研究する集団は、プロセスの革新に関心を持っていた、ダベンポートもこの分野を率いるリーダーだったわけだ。事実、プロセスの革新やリエンジニアリングの概念が登場する前にはITは、予算だけ無駄にする屑鉄の塊として扱われていた。莫大なIT投資にもかかわらず、肝心のその効果は微々たるたからである。コンピュータやITが企業経営の質を大幅に向上させるという経営者の風は完全に無駄に帰るように見えた。経営者は、ITを業務の自動化のための手段としてのみ思っていたからである。しかし、ITの真の力は、古いプロセスを効率的に動作するようにするのではなく、組織の古いプロセスを破り、新しい方式を作成するようにすることである。不合理な業務プロセスをそのまま置いた状態で、いくら最新のITを導入しても成果が創出されるはずはした。プロセスの革新が行われた後、ITを導入するとき、初めて効果が現れるものである。ダベンポートの<プロセス革新>は、チャンピオとハンマーの<リエンジニアリング企業革命>に比べて公共の人気は少ない集めた。しかし、学界では、むしろダベンポートの本研究の体系性や内容の充実性の観点から、より優れているという評価をしていた。IT分野の彼の研究は、その後も着実に進められ、1997年には「情報生態学(Information Ecology)」という本を出版した。この本の中で、彼は、ITの大規模な投資が経営成果に接続されていない主な理由は、企業が保有している様々な情報を競争上の優位性に転換させることができる情報環境が造成されていなかったからだと主張した。そして、最終的に2007年、ダベンポートは、その中にIT分野で行った自分の研究を集大成して<分析手法による競争(Competing on Analytics)」という本を出版する。彼はこの本を通じて、ITインフラストラクチャへの投資に多くの資料や情報がたまらないのですが、これを競争上の優位性につながるせないという問題点を指摘して、ITを企業の競争上の優位性に転換させることができる具体的な方法論を提示した。彼は主張分析手法(analytics)と洗練された計量的、統計的手法やモデルを通称する意味で使われている。デルやウォルマート・P&G・インテル・アマゾン・ヤフーなどの企業は、単なる直感や経験がなく、事実とデータに基づいて洗練された意思決定を行うことができるシステムを構築しており、これにより、競合他社よりも優れた成果を達成したのが彼の分析である。十分なデータと洗練された分析手法が製造・マーケティング・R&D・サプライチェーン管理など、さまざまな企業活動と結合されるとき、初めて競争上の優位性を創出することができるというものである。このようにITから出発したダベンポートの研究領域は、21世紀に入りナレッジマネジメントの分野に拡張された。単純な情報技術ではなく、より広い意味での知識を活用した経営自体に関心を見せ始めた。2000年に、彼はIBM研究所での知識経営を担当していたローレンスプルサク(Prusak)と一緒に<実用知識(Working Knowledge)>という本を出版する。過去の経営では、興味を起こさせなかった無形資産である知識を新たな競争優位の源泉として認識しながら、本格的に探求し始めたのだ。その後、2003年には、新しいアイデアや知識を実行することに焦点を置いた<ビッグアイデア(What's the Big Idea)」とは著書を出し、2005年には、知識労働者のための管理を扱った<中核人材経営法(Thinking for a Living)>を披露した。このような著書から見えるダベンポートの旺盛な研究意欲や筆力は驚くべきだ。特に<中核人材経営法」では、最終的に、知識労働者の深い研究を通じて、自分が元の専攻していた社会学、情報技術を融合させようとする努力も伺えた。ITや知識管理の問題は、最終的に、労働者の問題と接続しかないのに、様々な情報技術を上手に扱う知識労働者は、一般的な労働者とその特徴が異なるほかはないのである。かつてアルビン・トフラーピーター・ドラッカーが述べたように、20世紀には情報化社会と規定することができ、情報化社会では、新しいタイプの労働者である知識労働者が経済活動の中核主体としての地位をキャッチし始めた。ところが、これらの知識労働者は、動機や態度そして自律への欲求は、通常の労働者とはかなり異なっている。したがって、これらを効率的に刺激し、管理することは、今後経営者に新たな課題になるしかない。ダベンポートは、まさにこの部分に賢明な助言を投げてくれる。ダベンポートは1999年からベプスン大学(Babson College)でITと知識管理に関する研究を継続している。学者が時流に迎合せずに一生を捧げ特定のトピックにについて研究することは、思ったより容易ではない。さらに、そのような研究が一貫して蓄積され、実際の経営にプラスの影響を与えることは、なおさら難しいことである。その点でダベンポートは明らかに「理論と実際」という二匹のウサギをすべて取った、わずかな経営の巨匠の一人である。