もし、イスラム国では不正してないという企業が出てきたら

ヨーロッパでは不正していないというVWは例え、特殊なソフトや賄賂を送らずにクリアしていたとしても他の国では違法だったりすることはよくある。

 
例えば、今のところ正式に認められていないISILの法律で展開している企業があったとする。奴隷が認められていたり、領内を通行するとき他の宗派から安全保証料を徴収できたり、他の国では法律違反のことが普通にできます。逆に他の国では当たり前のことが違法になります。女性は一人で出歩いてはいけないとか、夜男女問わずに出歩いてはいけないとかありますし、著作権があるかどうかもイスラム法の概念から考えれば怪しいです。
 
イスラム国民を拠点としてグローバル展開している企業がもしもあって我が国の基準では違反していないと言われても説得力は皆無です。アメリカに進出したらアメリカの基準を守り、ヨーロッパではヨーロッパの基準、日本では日本の基準、中国では中国の基準を守るのが当たり前だと自分は思うのです。
 
そうしたら、イスラムで味の素に豚が入っていて訴えられたり、アメリカは裁判社会、ヨーロッパは規制社会、中国は賄賂社会、日本の属人的社会。価値観がこれだけ違うのです。それらを自国では違法ではないことでも下手すれば死刑になることもあり得るのです。
 
それがグローバル展開をし、儲けている企業のリスクではないかと考える。
自分に都合の良いルールや価値観を他人に押し付けたり他国に押し付けるのは商人のすることでも何でもなく、多様性を否定したい人がすることであり、そうした人が外国に行って商売するならば、相手にも自分にもストレスがたまるでしょう。
 
企業はこれから社会的責任や、誰が責任を取るかをが大事になっていく自国で違法でなくても、他国では違法である。個人単位で見てもキューバの葉巻をアメリカで所持していても違法だったように、企業は気を付けなくてはいけない。
 

 

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